古い着物は値段がつかないとあきらめてしまう方も多いでしょう。しかし、リメイク、レンタル用などの需要があり、高額査定がつくケースも多いです。とくに有名作家や伝統産地の着物、正絹素材で保存状態がよいものは、価値が高く評価されます。この記事では、古い着物が売れる理由や高く買い取ってもらうためのポイントも紹介します。
古い着物でも売れる理由とは？
古い着物でも、買取市場では意外な需要があり、思わぬ価格がつくことがあります。現代では着物を日常的に着る機会が減っていますが、再利用やレンタル需要、さらにはリメイク素材としての価値が見直されているのです。柄がおしゃれ
大正から昭和初期にかけて仕立てられた着物には、当時ならではの大胆で洗練された柄が多く見られます。いわゆるレトロモダンと呼ばれるデザインは今でも根強い人気があり、若い世代や外国人観光客にも人気です。そのため、この時代の着物は再販市場でも需要が高く、専門店やレンタルショップが積極的に買い取るケースが少なくありません。
販売できるから
古い着物であっても、虫食いや大きなシミがなく、保管状態が良好であれば、そのまま販売できる場合があります。とくに有名産地の織物やブランド力のある反物であれば、多少の経年を感じさせるものは「味わい」と評価され、再販につながりやすいのです。レンタル需要がある
訪日外国人が増加する中で、京都や東京の観光地では着物体験が人気を集めています。また、結婚式や成人式、卒業式でもレンタル着物の需要は安定しており、古い着物でも十分に活用できます。リメイク品として使用する
着物の布地は、帯や小物、バッグ、さらには洋服へのリメイクに使われることが多く、独特の風合いや柄が一点物の作品に生まれ変わります。高額買取が期待できる古い着物の特徴
状態がいい古い着物は需要があるので、思わぬ高値がつくケースがあります。買取価格は数百円から数万円、場合によっては数十万円と幅広く、種類や保存状態によって大きく変動します。ここでは、高値が期待できる古い着物の特徴を見ていきましょう。有名作家や老舗ブランド、伝統産地の着物
銘仙（めいせん）、大島紬（おおしまつむぎ）、友禅（ゆうぜん）などの織物や染物は、時代を超えて高い評価を受けています。また、千總（ちそう）などの老舗呉服店が販売してきたブランド着物は、古くても価値が下がりにくく、査定の際にプラス評価を受けやすいのが特徴です。未使用品
仕付け糸が残ったまま、たとう紙に包まれて保管されている着物は、新品同様として評価されることがあります。折りジワを防ぐ紙や布が残されていれば、保存状態のよさをよりアピールできます。古い着物でも、一度も袖を通していないと確認できれば、査定額は一気に高くなるでしょう。保存状態がいい
着物は布製品であるため、シミや色あせ、虫食いなどのダメージを受けやすいものです。反対に、長期間経過していても色鮮やかで傷みが少ない着物は、年代を問わず需要があります。需要がある種類
訪問着や振袖、紬は使用場面が多く、需要があります。とくに訪問着は、フォーマルからカジュアルまで幅広く活躍するため、高額査定が期待できるでしょう。その次に振袖や紬、留袖といった順で需要があり、査定額も安定しています。高級素材である
正絹は絹100％で作られた高級素材で、光沢や質感がすぐれていることから古くても評価されやすい傾向にあります。中でも、重みや厚みのある正絹は高級感が際立ち、査定額に反映されやすいです。丈が長い
昔の着物は、当時の人の体格にあわせて着丈が短いことが多く、そのままでは着用がむずかしい場合があります。しかし、丈が十分にある着物は仕立て直しが容易なため、中古市場で高く取引されます。参考買取額
参考までに、一般的な買取相場を紹介します。留袖で最大7万円前後、振袖で20万円前後、訪問着で10万円前後、付け下げで8万円前後、色無地で5万円前後、アンティーク着物で7万円前後です。ただし、これはあくまで目安であり、保存状態やブランド性によって大きく上下します。長年眠らせてきた着物に、思わぬ価値があるかもしれません。まずは信頼できる買取業者に査定を依頼し、価値を確認してみるとよいでしょう。
古い着物を少しでも高く売るコツ
古い着物を買取に出す際、どのような条件がそろうと高額査定につながるのか気になる方も多いでしょう。査定を依頼する前に、どのようなポイントが価値を高めるのか理解しておくことが重要です。信頼できる業者を選ぶ
着物の買取実績が豊富な業者は、多様な種類や年代の着物を査定してきた経験があるため、古い着物でも正確に評価してもらえます。とくに有名作家の作品や伝統的な産地の着物は、価値を見落とされると買い叩かれる可能性がありますが、実績のある業者ならそのリスクを抑えられます。査定士の資格や経験を確認しておくと、より安心して依頼できるでしょう。
証紙や落款をなくさない
証紙とは作家や産地を証明する紙であり、落款は着物完成時に押される印のことです。これらがそろっていると、着物が本物である証明になり、査定額のアップにつながります。証紙や落款をなくした場合でも査定自体は可能ですが、そろっているほど評価は高くなります。痛まないよう適切に保管する
保存状態も査定額に大きく影響します。湿気や日光にさらされるとシミや色あせ、カビ発生の原因となり、価格を下げてしまいます。箔や刺繍が施された着物はとくにデリケートです。薄い白布や紙を挟んで保管することで、生地同士の摩擦やくっつきを防ぎ価値を維持できます。日頃から通気性のよい場所で保管し、着物用のハンガーやたとう紙を活用することもおすすめです。
